運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

サンプリングツアー その1とその2

昨日からサンプリング、つまり研究材料の採集のために関東へ来ている。

本当は昨日初日の様子を記事に書くつもりだったのだが、移動だけで終わってしまって特に書くことがなかったのと、ホテルでぼんやりしていたら遅くなってしまったので、書かずに寝てしまった。




本番は今日からである。

筆者の目的は、海岸の砂を回収して底生性のうずべんを集めること、そしてこの前作成したアルティメットウズベンソーター改(https://under-the-floor.hatenablog.com/entry/2019/06/11/210217)を使って浮遊性の小型のうずべんを集めることである。
あと、先生と後輩が同行していて、後輩の卒業研究に使うためのうずべんも狙う。これは海岸のタイドプール(潮が引いた後に岩場に残った水溜まり)から採れるらしい。
筆者は万が一何も取れなくても、今持っているうずべんで研究できるからまだ気楽でいられる。しかし、この後輩にとっては卒業がかかっていなくもないので、今回のサンプリングはとても重要だ。

ところが、天は我々を見放した。
今日は朝から大雨で、警報が出るレベルだった。普通だったら海岸に近づいてはいけない。
しかしせっかく金と時間を割いてここまで来ているし、例の後輩に至っては今回のサンプリングの成果がわりと死活問題なので、サンプリングは強行することになった。




雨合羽は持ってきていたが、靴は完全防水ではなかったので、まず靴と靴下が死んだ。この後ずっと裸足でサンダルを履いていた。
しばらくすると合羽の中にも水がじわじわ染み込んできて、結局服が死んだ。これは筆者の合羽がボロいからというのもある。買い替えたい。
そして、海水を汲み上げるための折り畳み式バケツが大波に攫われて海の藻屑と化して死んだ。しょうがないので釣具屋に寄ってバケツを買いに行った。店員さんに「何か釣れましたか?」って聞かれてしまい、反応にとても困った。

幾多の犠牲を出しながらも、筆者たちは無事いくつかのサンプルを確保することができた。筆者たちが死ななくてよかった。

しかし、悪天候の影響はまだある。
うすべんは光合成をする生き物だ。当然晴れの日は元気で曇りの日は静かになる。こんな大荒れの日にうずべんが元気なわけがない。
例の後輩の研究対象は、晴れていればブルーム(大量発生して海水に色がついて視認できる状態)を発生させるらしいが、今日はなかった。
ここまで頑張って採取したサンプルだが、それに目的のうずべんが入っているかが分からないのだ。




サンプリングは明日も続く。明日は風は強いが雨はやんで、気温も上がるらしい。
正直今日のサンプリングはとても苦しかったので、明日はもうちょっと楽しんでいきたい。