運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

大学構内の植物をコンプするために図鑑を作ろう

前回記事でも書いたが、大学構内の植物をひたすら同定する学部2年生向けの実習のために、現在教師・TA陣で簡易図鑑の制作を行っている。




普通に図鑑っぽいものを作るだけなら、手持ちの植物図鑑の文章を参考にしていけばすぐできる。しかし、今回厄介なのが、留学生向けに英語でも文章を書かなければならない点である。

植物の特徴を記述する際には、多少の専門用語が必要となる。
例えば、シロツメクサ(いわゆるクローバー)の葉の形態を説明するとしよう。3枚の葉が茎の同じ場所から生えているが、これは「3出複葉」という単語だけで表現することができる。「3枚の葉が茎の同じ場所から生えている」とわざわざ文章で書くより圧倒的に楽である。
さらに、日本語の便利な所であるが、字面から何となく内容を想像することができる。専門用語を知らなくても「3つの複数の葉が出てるんだなあ」というのが理解出来る。
当然専門用語は初見だと理解し難いものもあるので、ある程度は知識を付ける必要があるが、一度覚えればとても分かりやすく便利である。

では、この「3出複葉」を英訳するとどうなるのか。

調べてみたところ、植物の専門用語をまとめてあるサイトが見つかったので引用させていただく。
http://mikawanoyasou.org/yougo/shokubutuyougo-wa.htm

これによると、「3出複葉」は「ternate」と言うらしい。

これは…ネイティブであっても理解されない可能性があるのではないか?いや最悪ネイティブには伝わるとして、留学生は必ずしもネイティブではないのだが、さすがに難しいのではないか?
試しにternateという単語をGoogle検索してみた所、インドネシアの島が出てきた。大丈夫か?

なお、ただの「複葉」はcompound leafというらしい。これは分かる。compoundは「合わさった」といった意味があるので、それが分かれば何となく複数の葉っぱがあるんだろうなあという考えに至る。ではなぜ3出複葉をtriple compound leafみたいな感じにしなかったのだろうか。




という感じなので、差し当たり、日本語なら専門用語で片付くところを、英訳する際は多少長くなっても文章で表現するのが適切な気がしている。3出複葉ならば、three leaves emerged from same position of the stem…とかだろうか?大変だ。

思ったよりハードな作業だったので、完成までもうしばらく時間がかかるだろう。