運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

オンライン国際学会 1日目

今日はProtist. online - Electronic Symposium on Protistologyという、オンライン上での国際学会、というかシンポジウムの聴講をしてみた。

Protistというのは原生生物のことで、ざっくりと単細胞生物のことを指す。この中には筆者の研究対象である渦鞭毛藻も含まれる。
先週頃に、何か面白いことないっすかね〜とネットをサーフしていた所、このシンポジウムが目に入った。その発表者リストを見ると、なんと筆者の所属する研究室の助教(カナダ人)が発表することになっていたので、これは面白そうだと思って参加申し込みをした。また、何度かお会いしたことのある日本人の研究者の方もリストに載っていた。

発表ツールは例によってZoomである。
今日と明日の2日にかけて開催される。また、開催時刻は日本時間の15:00〜18:30である。これは、普段のオンライン上のイベントが世界標準時基準の日程になりがちで、アジアやオセアニアの研究者が参加しづらいので、今回限定的に時間帯を合わせてくれたことによるものらしい。

せっかく時間帯を合わせてくれたのに、ちょっとうたた寝していたら開始時刻に遅れてしまい、15:20頃に図々しくZoomにログインした。




最近英語を聞いたり喋ったりする機会が少なくなっていたので、内容の聞き取りにかなり苦労した。スピーカー越しのため聞きづらくなっていたのも原因としてあるかもしれない。特に例の助教はいつにも増して早口で喋っていてちょっと笑ってしまった。
それでも全く聞き取れない訳でもなく、どの発表も面白く聞くことができた。
普段の「藻類」よりも「原生生物」は広い括りではあるが、違いは光合成をするかしないか程度で、研究の大まかな方向性には馴染みのあるものが多い。
中でも、真核生物の大系統を扱う研究がいくつか見られた。最近の流行りであると共に、筆者個人としても興味がある分野なので、聞けてよかったと思う。




16:30頃に休憩が入った。向こうの表現を借りるとCoffee breakである。

普通に大人しく休憩しようと思っていたら、運営からアナウンスがあった。
曰く、ここまでの発表者に追加の質問がある場合は、それ用の部屋を作ったのでそっちに行ってもらう。質問がない人は、Breaking roomという数人ずつの部屋を何個か作って、そこに自動的に割り振るので、あとは部屋内の人達で喋っててほしい、との事である。

ちょっと待て。今から筆者は名前も顔も知らない外国人数人の部屋にぶち込まれるのか?

英弱コミュ障にとってその状況は余りにも過酷であることが予想された。顔も見せずミュートのままにしてやりすごすか?それか質問部屋に逃げるかだが、質問らしい質問がぱっと思い浮かぶ訳でもない。

あたふたしていたら、Breaking roomへの割り振りが行われた。
部屋には筆者含めて5人しかいない。当然日本人は筆者しかいない。絶体絶命である。

流れるように自己紹介が始まった。しかも全員めちゃくちゃ喋っている。さすがである。しかし気が動転している筆者には内容は何一つ入ってこない。
機材トラブルを理由に逃げようかとも考えたし、実際逃げかけたが、何とか腹を括ってちょっと自己紹介をした。何を喋ったかよく覚えていない。英語だめなんです。すみませんでした。許してください。




休憩だったはずの時間は、全スケジュール中最もハードなものとなった。こんなことになるとは思っていなかった。英語力付けなければと思った。

休憩後の聴講は、集中力が完全に切れていたものの特に何事もなく終わった。
明日は2日目である。また魔のCoffee breakがあるので、今度はちゃんと喋れるようにしたい。