運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

楽しかった実験

最近はひたすらデータ解析を進めたり文章を書いたりしているので、デスクワークが作業の中心になっている。研究室に行っても部屋にほとんどこもり切りである。

ただ、ここ数日は気になったうずべんの観察をしてみたり、TAの仕事が入ったりして少しだけアクティブな生活を送れた気がする。
データ処理はまだしも文章を書くことは好きな方なのだが、それでも連日パソコンをカタカタしているだけの生活は健全ではない。そして、久しぶりに実験っぽいことをしたことで、筆者自身実験をやっている時が一番楽しかったのだということに改めて気付かされた。




研究室に配属されてから今まで色々な実験をやってきたが、1番楽しかったのはやはり電子顕微鏡だろうか。
特にTEMが楽しかった。謎の構造体が見えた瞬間はわくわくした。鞭毛装置の観察は大変だったのであまりやりたいとは思わないが、それでも鞭毛装置を完璧に捉えた時の達成感はいい物だった。
あと、TEM観察は難易度が高いだけあって、他人には真似出来ないやばいことをやっているという気持ちよさも少なからずあったと思う。

遺伝子解析はつまらなくはなかったが、慣れてきてからは作業と化していたので特に面白いとも思わなくなってしまった。

トランスクリプトームはこれまでやっていた遺伝子解析とは比較にならないなほど難しかった一方、解析を進める度に成長している実感があるのはよかった。とはいえ、そこへ至るまでが長かった。現にまだ解析に決着がついていない。

培養実験はつまらなかった。

光合成活性の実験は思いのほか楽しかった。新種記載のための操作と違い、ああすればこうなるというルートが見えやすく安心感があった。
ただ、とにかく例のトラブルが全てをぶち壊した訳で、本当に残念である。




こうして挙げてみると、やはり筆者は電子顕微鏡を使い潰す人生を送るのがいいのかもしれないと思った。
また気が滅入ったら電子顕微鏡を覗きに行ってみようと思う。