運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

最後のゼミ

今日は研究室のゼミで筆者が発表する日だった。
今回、筆者にとって最後のゼミ発表となった。研究室所属から6年、思えば結構な回数の発表をこなしてきたものである。

今回の発表は論文紹介だった。紹介したのはこちらの論文である。
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abg4102

紅色細菌と緑藻を細胞内共生させている繊毛虫についての論文である。はっきり言って意味がわからない。世界にはこうも謎めいた生き物がいるのかと呆れてしまう。
本論文では宿主の繊毛虫と共生している紅色細菌および緑藻の分類学的検討、さらにゲノム解析による代謝系の解析もやっている。紅色細菌が特に変わっていて、未記載種(厳密には未記載種候補らしい)であり、代謝系も細胞内共生するために特化しているとのことだった。




この論文には筆者の扱っているうずべんは一切登場しない。しかし、ゼミにおいては筆者の研究内容に近い論文よりも単純に面白そうな論文を選んで発表してきたし、今回もその例に漏れない。ちなみに今回の論文はTwitterで見かけて面白そうだったので選んだ。
とはいえ、今回の論文が筆者の研究分野と全く関わりがないかと言うとそうでもない。繊毛虫はうずべんとそこそこ近縁だし、光合成機能の議論もそれなりに出てきた。

これぐらいの距離感の論文を繰り返し読むことで、自らの専門分野から守備範囲をじわじわと広げることができたように思う。