運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

最果て

札幌で働いていた知り合いが稚内へ転勤になるので送別会(焼肉)をしていた。




札幌はものすごく都会だが、それでも本州から見れば北海道は僻地だ。
そしてそもそも僻地である北海道の先端部分となれば、それは「最果て」と呼ばれるようになる。

筆者は北海道出身ではないので、北海道にいるうちに行けるところへ行こうと旅行をよくやった。
結果として北海道の最西端を除くほぼ全ての海岸線をコンプリートしている。




まず稚内、正確には最北端は宗谷岬だ。
ここは「日本最北だから頑張って盛り上げようとしているけど環境が過酷すぎて錆びれざるを得ない」というようなキツすぎる雰囲気が醸し出されている。
まずたどり着くまでが過酷であり、札幌からの最短ルートである西海岸沿いの道(通称オロロンライン)を通ろうものなら、街どころか道の駅すらまともにない。
ちなみに稚内から最寄りのイオンがある名寄まで160kmある。

さらに、稚内の西にある利尻島礼文島まで行くと、まさに異世界と呼ぶに相応しい光景が待っている。

最東端は、北方四島を除くと納沙布岬になる。
東の果てと言えば知床を思い浮かべるかもしれないが、あそこはそもそも先端まで侵入できない上、かなり観光地化されていて最果て感が薄い。
一方、納沙布岬の最果て感は凄まじい。
本当に虚無しかない場所であり、知床に人が吸われているせいか観光客すら少ない。
見どころとして「トドワラ」と呼ばれている場所があるが、その実ただの枯れ果てたトドマツ林跡だ。こんなものが見どころになるあたりでお察しである。

最南端は白神岬という所になる。
近くに函館があるが、やや距離がある上に知名度がないのでここまで来る人はあまり多くない。
上記二つと比べて最南端アピールも控えめで、石碑みたいなのがちょっと建っているだけである。
天気がいいと遠くに津軽半島が見え、最果て感は比較的薄い。

ちなみに渡島半島を除く最南端が襟裳岬である。
何回か行ったが、いつ行ってもひたすら風が強い。
先端まで行けば強風を浴びながら視界いっぱいの海を眺めることになり、しっかり最果てしている。ただ、わりと整備されているので環境としては親切な方である。

最西端。これが問題だ。
北海道の最西端は尾花岬という場所である。ほとんどの人は名前を聞くことなく一生を終えるだろう。
それもそのはず、この岬には先端に通じる道がなく、一般人には侵入不可能なのである。
記事の冒頭で「最西端を除く」と前置きしたのはこいつのせいだ。
「尾花岬」で検索すると、ここへ到達しようと挑戦した記録がたくさんヒットする(そしてたまに失敗している)。行こうとするだけで記事になる場所、それが尾花岬である。
自信のある方は挑戦してみてはどうだろうか。




最西端以外ならどこへ行ってもちゃんと帰って来れると思うので、北海道旅行の際は候補に入れてみてもいいかもしれない。