運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

また惜しい人を

先輩が卒業した。

この時期に卒業というのは、普通に9月入学だったから9月に卒業しただけである。サボりすぎて3月に卒業できずに半年延びた訳ではない。

先輩は、うずべんに系統的に少し近い寄生性の生物、アピコンプレクサ類を扱っていた。少し前に筆者が鞭毛装置の解析を手伝っていた、あの先輩である。
カナダからの留学生なのだが、両親は日本人で、英語が母国語だが日本語も喋れる。
たまに野蛮な発言をしていたが、一緒に登山に行ったり、ブレスオブザワイルドを貸してもらったりと、とても良くしてもらっていた。

卒業後はカナダに帰るらしい。出国の手続きや片付けに追われていて、ここ数日めちゃくちゃ忙しそうだった。
送別会でもできればよかったのだが、時間が無くて無理だと言われてしまった。ちょっと落ち着いたらオンラインで企画してみようか。

また、アピコンプレクサ類の研究は二度とやらないらしい。曰く、面白くなかったとのことである。筆者的には面白いと思っていたのだが。鞭毛装置とか特に。
帰国後はポスドクを探すだか警察官になるだか何とか言っていたが、結局どうなったのか、ちょっと聞けなかった。




これでまた一人、筆者の研究室から人がいなくなった。

来年の春には、筆者のひとつ上の先輩がいなくなる予定である。その一年後は筆者がいなくなる、はずだ。
いや、はずと言うか、その時点で筆者の所属する研究室は先生の定年退職により解体されることになっているので、どうあがいても筆者はここからいなくなる。

滅びを前にした人類最後の一人みたいな気分になって来た。