運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

鞭毛装置との戦いとの決着

1年ぐらい前から、先輩の扱っているサンプルの鞭毛装置の解析を頼まれてやっていたのだが、これが多分ほぼ完成した。
「多分」とか「ほぼ」とか曖昧な表現を使っているのは、まだ完成したデータを先輩にも先生にも見せておらず不確定なためである。

本来、普通のうずべんの鞭毛装置の解析なら、数ヶ月もかからずに終わらせられる。しかし、今回は対象が培養できない上に細胞数が少なく、先輩が小樽まで採集しに行かないと手に入らないことから、時間がものすごくかかった。また、そもそもそいつがうずべんではないという事もあり、固定が難しかったり、色々と勝手が違ったりして手間取った。
その先輩は今年の9月に卒業してしまうので、時間的にはギリギリになってしまった。

揃ったデータの完成度はまあぼちぼちという所である。正直完璧ではないかもしれないが、これ以上のクオリティを求めるとおそらく終わらない。
一方で、このデータ解析から判明した事実は非常に面白い。今まで見てきた鞭毛装置の中で一番わくわくした。この分野の細胞構造学界隈にも一定のインパクトを与えることになるだろう。

これから発表するデータなので、これ以上詳しくは語れない。論文が出版されたら紹介しようと思う。少し先の話になるかもしれないが、先輩はとんでもない速筆なので、案外早くお見せできるかもしれない。
ちなみに筆者は第2著者として名前が載る手筈である。

筆者としては、前から抱えていたプロジェクトが1つ片付き、少し肩の荷が降りた気分である。まあまだ肩には他の荷がたくさん載っているが。