運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

もっとやる気を出してくれ

うずべんの光合成活性を測ろうとしているのだが、絶妙に上手くいかない。

筆者のうずべんは、葉緑体を持っているにもかかわらず、おそらくあまり光合成をしていない。代わりに他の藻類を捕食して生きている。
ではその「あまりしていない」というのはどの程度なのか、「全くしていない」のか「ちょっとはしている」のか、その辺を数値で表すために、光合成活性を計測しようとしているのである。

計測自体は8月から何度か行っており、一応データは出ている。予想通り、やはり筆者のうずべんは光合成をほとんどしていないようである。
ところがこのデータには問題が残っている。全体的に数値のばらつきが大きすぎるのである。
光合成をほとんどしていないということはつまり、光合成活性の検出感度が下がるということだ。ちゃんと光合成をしている他のうずべんと同じ条件で計測をしても、綺麗なデータが出ない。

この解決のためには、計測に使う細胞の濃度を高くする必要がある。培養液をフィルターに通して濃縮する方法などを試したが、まだ足りないらしい。従って、うずべんにはこれまで以上にめちゃくちゃ増えてもらわなければならない。
これまで幾度となくこの問題に頭を抱えてきたが、今回もまたうずべんにはやる気を出してもらう必要があるようだ。




今日は、うずべんの確保ができる見通しがたっていたので、あらかじめ訪問先の研究室の先生に連絡をして、機器を使わせていただくはずの日だった。
しかし、いざうずべんの培養液を濃縮してみると、前回計測した時よりも細胞濃度が低くなってしまっていた。これでは前回の計測から結果が改善される見込みがないので、残念ながら計測そのものをキャンセルすることになった。

一応、これでも培養液にちょっと色が付く程度には高濃度になっている。普通の藻類なら間違いなく綺麗なデータが出ていることだろう。
ちなみに、筆者はこの実験で培養液を濃縮するようになってから、初めて自分のうずべんの色を認識した。お前、こんな色だったんだな…と少し感動した。

実験ができないのはもどかしいが、全てうずべんのやる気にかかっているので、筆者は待つしかない。