運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

終盤戦

最近記事の更新が疎かになりすぎている。さすがに何か書こうと思う。

前回の記事を見返したところ、rbcLの系統解析をしようとしていた所で終わっていた。
あの後系統解析は無事終わり、さらにメインとなる図表とMaterial and Method、Resultsの文章まで完成した。現在はDiscussionを書いている。
我ながら中々のペースであり、D論執筆も終盤に差し掛かっていると言っていいだろう。

しかし、今書いているトランスクリプトーム解析のDiscussionがD論全体でも最も手強い相手であることは間違いない。実際に少し書き進めてみて難易度を実感している。
トランスクリプトーム解析をあえて日本語に訳すなら「網羅的遺伝子発現解析」みたいな感じになる。つまり「遺伝子」を「網羅的」に見ている訳で、扱う遺伝子の幅が非常に広い。今回は葉緑体光合成に関係する遺伝子に絞ってまとめているが、それでも膨大である。
これらの遺伝子の細かい機能や特徴を調べるだけでも大変だし、それらの情報をストーリーにして文章を構築するのはとても骨が折れる。まさしくラスボス的な強さがある。

しかし、それだけあって得られる情報は多い。
これまでの実験で見出されていた特徴の裏付けや、先行研究との比較から見えてくるうずべんの特異性などをまとめていくのは、論文を書いている感がすごくある。それだけでなく、名前だけ知っていたが機能を知らなかった遺伝子の詳細などにどんどん詳しくなってきており、辛いは辛いのだが楽しさも感じている。

何となくだが、これを超えた先に「博士」はあるんだろうなという感覚を掴んでいる。ここまで来てやっとだ。