運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

アルティメットウズベンソーター改

アルティメットウズベンソーター改がどのようにして完成したかはこちらの記事(https://under-the-floor.hatenablog.com/entry/2019/06/11/210217)に書いてある。
これを昨日までのサンプリングツアーに持っていき、各地の海水を濾過して回ってきた。
そして今日、持ち帰ったサンプルを顕微鏡で確認する時が来た。




アルティメットウズベンソーター改の力は絶大だった。

多少の差はあれど、ほとんどのサンプルに小型のうずべんがわんさか含まれていた。見たことの無い形のものもある。
逆に大きめの珪藻や繊毛虫、邪魔な多細胞生物などは全く含まれていない。普通のプランクトンネットではこういった連中も一緒についてくるのだが、これがいないだけでも非常にストレスフリーである。
当然大型のうずべんもシャットアウトされていることになるが、今回筆者が目的としていたうずべんは小型のものばかりなので、これで構わない。

今日は一日中、それっぽいうずべんを淡々と単離していた。
サンプルの量も多いし、含まれているうずべんの種類も尋常ではない。普段は息抜きがてらやっている単離作業も、こうなってしまうとかなりのハードワークである。
大過ぎる力を手にしたことで逆に身の破滅へ向かうダークヒーロー…いや何でもない。

あと、同行した後輩も目的のうずべんがちゃんと採れていたらしい。あそこまでやって戦果ゼロだったら悲惨なので、これは安心した。




サンプリングの成果はばっちりだった。これからしばらくは顕微鏡に張り付く時間が増えそうだ。
同時に、進行中の実験、観察や、論文を書いたりする時間も上手く折り合いをつけて確保していかなくてはいけない。