運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

なぞのうずべんの遺伝子

昨日研究室で読んだうずべんの遺伝子データを解析する作業をやった。




まず遺伝子がどういった形でデータになっているのかについて超簡単に触れる。
遺伝子すなわちDNAは、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種類のパーツ(塩基)が連なった構造をとっている。このAとTとGとCの配列によって、遺伝子のもつ機能などが決まる。
ちなみに、ヒトの持つDNAの塩基数は約30億だと言われている。

この塩基配列は生物種ごとにある程度決まっていて、例えば同じ種であれば塩基配列は似ているし(個体ごとに違う部分もあるが)、異なる種で比較すると塩基配列は多少違うはずだ。さらに、異なる種の中でも特に遠縁なもの同士で比較すれば、塩基配列の相違は大きくなるはずである。
この遺伝子のシステムは全生物で共通なので、遺伝子さえ読めれば、あらゆる生物同士の同種か別種かの判別や、系統関係の推定が理論上可能になるのである。理論上は。

ということで、読んだ遺伝子のデータはATGCがずらーっと並んだものになる。




データがちゃんと得られたことを確認したら、次にこの遺伝子配列データをオンライン上のデータベースに照会する。
BLAST(Basic Local Alignment Search Tool)という遺伝子検索ツールがあって、これに手持ちの遺伝子の配列を入力して検索すると、オンライン上に蓄積、共有されている遺伝子データの中から近いものを提示してくれる。
これにより、今回読んだ遺伝子の持ち主は何者なのか、もしくはどんな生き物に近いのかがわかるという訳である。




という感じで、今回遺伝子を解析した8株のうずべんの正体が分かったり分からなかったりした。

詳しい結果は多分言わない方がいいので伏せるが、まあ分かったり分からなかったりしたのである。
正直に言うと期待していたよりはあんまり面白くなかったのだが…




ともあれひと仕事終わって、明日から虫採り実習のTAである。

泊まりこみの実習になる上、あまり自由な時間が取れないと思うので、数日ブログの更新が止まる予定だ。
書きたいことはたくさん出てくるはずなので、更新できる状態に戻ったらすぐに書くつもりである。