運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

渋滞

前々回の記事で、論文再投稿へ向けた修正作業が終わり、あとは遺伝子配列の登録を待つだけになったと書いた。
しかし、その遺伝子配列の登録が中々終わらず、再投稿まで進めずにいる。

「遺伝子配列の登録」についてちゃんと説明しようと思う。
遺伝子というのは、DNAの塩基配列という形で情報を持っている。そして、解析済みの配列はデータベースに登録され、誰でも閲覧することができる。長年の研究の蓄積により、様々な生物の様々な遺伝子がデータベース上で利用可能になっている。
とはいえ、もちろん未知の生物の遺伝子配列は知りようがない。そこで、新種の生物を記載する際は、遺伝子配列を特定してそれをデータベースに登録するまでが仕事の1つとされる場合が(特に最近は)多い。

今回の論文でも、新しいうずべんのとある遺伝子の塩基配列を解析したので、これを登録することになっていた。が、最初に論文を投稿した時点でこの登録をやっていなかったので、再投稿までに登録を終わらせる必要があった。

さて、遺伝子の登録のためには、遺伝子データベースを管理している機関へ登録申請をする必要がある。この機関は複数あり、筆者は普段DDBJ(DNA Data Bank of Japan)を利用している。
こちらへの登録申請は先週終わっており、あとはDDBJ側の手続きを待つだけだった。
ところが、これが中々終わらないまま、現在に至っているという感じである。

昨日の夜に手続きがどうなっているのかの確認のメールを送った所、今朝返信があり、もう少し遅くなりそうだとのことだった。
どうやら、今年の3月頃から登録申請の数が増加し、処理が追いついていないらしい。今年の3月とはすなわち新型コロナが流行り始めた時期であり、ウイルスの遺伝子の登録が増えたのか、在宅でやることがなくて登録が増えたのかは知らないが、とにかく今に至るまで渋滞が続いているようである。

このままだと遺伝子の登録が論文再投稿の期限(29日)に間に合わなそうだったので、投稿先の雑誌に連絡して期限を伸ばしてもらった。わりとすんなり期限は伸ばして貰えたので、ひとまず安心である。

思わぬ形でゴタ付きに巻き込まれたが、こちらにできるのは大事にならないよう祈りながら待つことだけである。