運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

春ごもり

先程大学院から新型コロナ関連のメールがあった。北海道外への出張や旅行をする際の注意点や今後の授業の予定といった内容の中に、研究活動は原則自宅で行うようにとの通達が含まれていた。
一応まだ「なるべく来ないでね」程度なようなので、必要であれば研究室へ向かっても大丈夫らしい。この指示によってうずべんの世話ができなくなって全滅するようなことは、ひとまずないだろう。しかし、実験は基本的に控えるべきだし、デスクワークもできる限り家で進めることになる。

実は、いつ大学が封鎖されてもいいように、1スパンが長い実験は既にストップさせていた。具体的に言うと、うずべんの成長速度の測定実験である。毎朝研究室に行ってひたすらうずべんの数を数えるあれだ。
あの実験は約2週間の計測が1セットになっていて、1日分でもデータが欠けるとダメになる。せっかく1週間頑張ったのに大学封鎖して詰んだ〜みたいな事態になったときの精神的ダメージの大きさを見越して、3月終盤には実験を止めていたのだ。
そもそも、この実験のデータはもう8割方揃っていた。あとは統計処理をしたり、何なら図や文章を書き始めてもいい段階にある。現在執筆中の論文も含めて家でもやれることはあり、大学が完全に封鎖されても、しばらくは暇をせずに過ごせると思う。

ちなみに明日から土日だが、研究室に用事がある訳でもないし、外出する理由がないので、完全に引きこもる予定である。
うずべんを数える実験をしていた秋から冬にかけては、休日も関係なくほぼ毎朝研究室に向かう生活をしていたので、状況がえらく変わってしまった。当時は休みを渇望していたが、まさかこんな形で引きこもりが推奨されることになるとは思っていなかった。
しかし、やはり自分から休もうと思って引きこもるのと、他人から外出るなって言われて引きこもるのとでは、心の穏やかさに差がある。

筆者は元々引きこもり体質だと思っていて、読むべき本や論文、書くべき原稿、そして積まれたゲームさえあれば、それなりの長さの外出禁止なら耐えられると思う。ただもちろん、それは期間の長さにもよると思う。コロナ鬱なんて言葉も出始めているようだし、事態が長引いた時のメンタルには注意する必要があるかもしれない。