光合成活性との戦い
最近色々な実験を並行してやっているのでとても慌ただしいが、今日はうずべんの光合成活性測定実験の方で進展があった。
これまでの流れをざっくりおさらいする。
まず筆者の扱ううずべんの中には、葉緑体を持っているのに、その機能が不完全らしく光合成だけでは生きられないやつがいる。ではその葉緑体は、数値にして(普通の葉緑体と比べて)どの程度の光合成能力を保持しているのか、という疑問が残っていた。
しかし、光合成活性を計測するための設備は筆者のいる研究室に無かった。そのため、別の研究室にお願いして設備を貸していただこうということになったのだった。
色々調べてみたところ、筆者のいる大学のキャンパス内にそれっぽい設備を持っている研究室を見つけた。そこで先週頭辺りに連絡を取ってみたところ、ありがたい事に借用を快諾していただいた。
そして、今日はその研究室へ初めて訪問して、設備の詳細や実験の計画についてお話してきた訳である。
問題の実験計画だが、正直すぐ計測できてしまうものかと思っていたがそうでもないようだ。
まず、細胞あたりの光合成色素量を定量する必要がある。うずべんが入った培養液の光合成活性(正確には炭酸固定量)を計測したとして、それを単位量で割らないと数値として意味が無いからである。
ということで、まず来週の初めに光合成色素の解析をさせて頂くことになった。
ついでに色素の組成もわかるらしい。これで万が一うずべん特有の色素であるペリディニンが見つからなかったら、それはそれで論文が1本できてしまう。
これが終わったらやっと本題の光合成活性の測定になる。
話し合いの結果、光化学系IIの活性が直接わかるPAMによる計測と、放射性同位体C13を用いた炭酸固定量の測定を併用することになった。が、詳しいところはまだこれから決めていくことになると思う。
他の研究室へ設備を借りに行く経験がほとんど無かったので最初はびびり散らかしていたが、何とか軌道に乗りそうで安心している。
光合成活性の測定もぜひやりたかった実験の1つなので、抜かりなくやって行きたい。