運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

学会だったはずの日

この土日は元々参加予定だった日本藻類学会が開催されていたはずの日だったのだが、例によって新型コロナの影響で無くなったので、筆者は2日間まったりと過ごした。




現在進行中のプロジェクトは、うずべんの成長速度の計測実験、葉緑体遺伝子の解析、3本目の論文の執筆である。このうち成長速度のやつは今回の学会で発表するはずだった。これが無くなったので、研究の進行速度を落とし、代わりにコロナの影響をあまり受けずに進められる論文執筆の優先度を上げている。
あわよくば論文を書いてるうちに事態が収束しないかと期待していたが、そんなことは無さそうだ。

しばらく先の他の学会にも既に影響が出ている。
例えば、5月末の日本光合成学会は中止が決定した。今回の藻類学会が無くなった代わりに筆者が参加を検討していたやつである。
また、9月に開催予定で、参加申し込み締切が今月いっぱいだったAsian Pacific Phycological Forum (APPF)は、来年への延期が決定した。この学会はアジアという名の通り国際学会で、しかも札幌での開催が予定されていたものだった。札幌から出ずに国際学会での発表実績を積むことができる超お得イベントだったのだが、残念である。

あと、同じく9月に予定されている日本植物学会について調べようとしたら、大会案内のページが削除されていた。なぜか去年の分のページも削除されていた。どういうことだ。

とにかく、この調子だと、丸一年ほど学会に参加出来ない期間が続いてもおかしくない。




院生にとっての学会は、研究発表の場であり、業績を稼ぐための場であると同時に、自分の存在を主張するための場でもある。もっと具体的に言うと、顔を知ってもらって共同研究などの案件を確保したり、次のポストを探すために色々聞いて回ったりする場である。
このような場が奪われることは、筆者にとっては結構シビアな問題である。というのも、博士課程があと2年で終わるので、修了後も研究を続ける場合、今年度から次のポストを探しに動き始める必要があるからだ。
例えば学振PDを書くとしたら、申請の時期がちょうど1年後なので、それまでに受け入れ先の研究機関と話を付けておかなければならない。
ではその受け入れ先を探すためにどうしたらいいか…という時に利用できるのが学会という場なのだ。しかしこれが今年は制限されている。

まあ興味のある研究機関に直接連絡を飛ばせばいいだけの話なのだが、ちょっと段階を1つ飛ばしている感がある。この辺りは今後の様子を見つつ臨機応変に…ということになるだろう。




ちなみに、博士課程修了後のポストについて、うちの研究室の先輩は「国際学会で雑談してたら決まった」とか「研究機関の方から来ないかとオファーが来た」とかそんなんばっかなので全くアテにならない。助けてくれ。