緊急事態の終わり
長く続いた緊急事態宣言が昨日で終わった。これに伴い、筆者のいる大学の行動制限レベルも3から2に引き下げられた。
これまでしばらく週3出勤を続けてきたが、明日からは平日は毎日研究室に出ようと思っている。
ずっと在宅でもやりたいことは大体できるので問題は無いのだが、やはり研究室に行った方が何かと便利である。集中力も続きやすい。
去年と違って、制限緩和されてやっとやりたい実験ができる〜とかいうのは無い。あまり開放された感じがないし、そもそもそれほど不自由を被っていないのである。
肝心の研究の進捗具合だが、トランスクリプトームの方が沼っている。前回の記事の時点で雲行きが怪しかったが、結構面倒くさそうなことになっている。
ここまで、得られた遺伝子から葉緑体ターゲティングのものを抽出し、そのレパートリーを比較しようとしてきたのだが、どうにも葉緑体ターゲティング遺伝子の抽出の段階で問題が起こっているらしい。
例えば「クロロフィルa合成酵素」という明らかに葉緑体で機能していそうなタンパク質の遺伝子に注目してみる。トランスクリプトームデータの中から検索すると確かにこの遺伝子は存在しているのだが、葉緑体ターゲティング遺伝子の抽出の段階で漏れてしまっている。
考えられるのは、抽出に用いたソフトのsignalPやASAFindが上手く機能していないか、本当にこうした遺伝子が葉緑体ターゲティングではないかのどちらかである。
もし後者だったら大変な事だが、とりあえず今は前者の可能性を疑っている。
例えば、葉緑体シグナル配列がうずべんで特有なものになっている場合。ASAFindは葉緑体シグナル配列を検索することで遺伝子を絞り込むツールだが、その検索に引っかからない可能性がある。一応ASAFindの使い方には「紅藻由来の葉緑体を持つ生物(つまりうずべんも含まれる)はOK」と書いてあるのだが、その検証を行った論文の対象にうずべんが含まれていない。怪しい。
明日以降、うずべんの葉緑体シグナル配列について何か情報がないか調べてみるつもりである。ちょうど研究室に自由に行けるようになったので、調べ物はやり放題だ。
今回に始まったことではないが、やはりうずべんは一筋縄ではいかない。