運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

世界のうずべん

実は先月から、世界中のうずべん研究者が集まるセミナーが開かれている。
頻度はおよそ2週間に1回である。すでに4回ぐらいやっている。

セミナーといっても毎度そこまで大規模なものにはなっていない。発表者も1回につき1人だけである。発表が30分弱、議論の時間が30分弱で、合わせて1時間ぐらいで終わる。
今のところ日本時間の深夜帯に開催されることが多く(ヨーロッパでは夕方にあたる)、筆者は寝る前にちょっと覗いてみるみたいな聴き方をしている。

前回のセミナーは15日深夜に開かれた。
内容は、Osteropsisといううずべんのブルームの季節変動に関するものだった。この研究で扱われたOsteropsisは海藻に付着するタイプで、以前から暖かい地域で見られていたが、最近になって少し高緯度の日本海や地中海などでも発生するようになったらしい。何よりこのうずべんは有毒なので、その動態は人間の生活に直接関わってくる。そこで、地中海におけるOsteropsisが季節によってどのように増えたり減ったりするかを調べたという内容だった。
やはり有毒なうずべんは注目を集めやすいという点で偉い。いや偉くないが。

注目すべきなのが、この発表を行ったのが聞き間違いでなければ修士の学生だったということである。
このうずべんセミナーには、当然世界中のうずべんの研究者が聴講者として集まってきている。有名な方もちゃんといる。その中で発表しようという気概はすごいと思う。さすがに指導教官の先生が質疑応答の途中でフォローしていたが(この先生の話がめちゃくちゃ長かった)、それでもすごい。

筆者にもこういう発表の機会がいずれ巡ってくるだろう。その時には何とかしたいと思う。