運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

やることがない

引き続きD論は副査の先生方による審査待ちである。
ただ、3人の副査の先生のうち2人からはもう返答が返ってきた。しかも今のところ大した修正も要求されていないので、D論の原稿に関してはほとんどやることが無い。ここまであっさりした審査だと原稿をちゃんと読んでいるのか不安だが、おそらく本当にちゃんと読んでいないものと思われる。
一方、残りの1人の先生はちゃんと読んでくださっているようだ。今日その先生と廊下ですれ違った際に少し話をしたが、光合成の内容でつまづいているとのことだった。確かにあの内容は分野的にかなり離れているし、そもそもの内容が難しいので大変だと思う。

筆者はそのやることの無い時間どうしているかと言うと、最近またトランスクリプトームデータをいじり始めた。D論を書く段階で新たに生まれた疑問を解決するための追加の解析である。

その疑問の内容は以下の通りである。
今のところの解析結果を見るに、今回解析した3種のうずべんのうち、1種のみ遺伝子数が極端に少ないようなのだ。具体的に言うと倍ぐらい違う。ちなみに解析の精度に問題がある訳でも無いらしい。
うずべんという生き物は、度重なる遺伝子の重複を進化の過程で経験しており、同じ遺伝子がゲノム中に大量に含まれた状態になっている。結果的にゲノムサイズも他の生物と比較してかなり大きい。
従って、遺伝子数の差=進化の過程で経験した遺伝子重複回数の差、と言いたくなってくる。ただ、結論づけるにはまだ情報が足りない。

これ以上具体的な話はまだ控えておくが、結構大きめの発見を匂わせている。投稿論文として公開する段階で何かしらのストーリーを構築しておきたい。