6年間付き添った相方の緊急手術
筆者には、学部入学時からの約6年間、共に付き添ってきた相方がいる。名を自転車という。
筆者のいる大学はべらぼうに敷地が広いので、使える日は毎日自転車を使う。まあ、正確には付き添ってきたというよりは尻に敷いてきたことになるか。
自転車を6年間酷使するとボロボロになる。
車体は歪み、ライトは線が切れていて使えない。ギアを最大にするとやばい音をたて始め、まともに走れなくなる。カゴは完全に車体から分離しているので、針金でくくり付けてある。
さすがに買い替えたいのだが、金がない。給与が振り込まれるのが5月末からなので、それまで頑張ってもらう必要がある。
先日、前輪がパンクした。あと1ヶ月と少しの辛抱だったがダメだった。
その日は自転車を押して家まで帰る羽目になった。周りの学生達が颯爽と自転車で走り抜けていく中、抱えた自転車に乗るわけでもなくとぼとぼと歩くのはやや惨めである。
筆者の自転車は、もはや自転車と言うより鉄くずに近い。これを修理のために自転車屋に持っていくのは気が引けた。絶対に「えっこれ修理すんの???」みたいな顔で、新しいのを買えと言われてしまう。しかし金がないと言ったらないのである。筆者はコミュ障なので店員さんとこういう話をするのが嫌いである。
ということで、自分で修理することにした。
筆者は諸事情により自転車のパンク修理用キットは持っていたが、実際に修理するのは初めてだった。
まず、車輪を車体から外すためにスパナが必要だった。そんなものは家になかったので、研究室からかっぱらってきた。サイズが分からなかったのであるだけ全部持ち帰った。
修理キットの説明書とGoogle先生を頼りに車体を分解し、タイヤを取り外すと、ゴムチューブには盛大に穴が空いていた。
パンクするとこんな感じになるのか。超痛そうだ。
この穴を覆うように絆創膏みたいなのを貼り付け、元通り組み立てて修理完了である。空気もちゃんと入った。
案外疲れる作業であった。手も真っ黒になってしまった。
明日はスパナを速やかに返却する必要がある。
とりあえず自転車は走れるようになったのは良かった。しかし、5月末まで無事でいられるかというと正直怪しい所がある。もう寿命はとっくに過ぎている。大事に扱わないといけない。
早く金が欲しい。