運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

ファッションセンス

筆者は元々ファッションセンス的なものがマイナス方向にカンストしていた。
数年前に一瞬付き合った彼女からその辺をボコボコにされ、無理やり矯正させられた結果、辛うじて外に出て恥ずかしくない程度の身なりになって今に至る。筆者が普段メガネではなくコンタクトレンズを使っているのも、チェック柄のオタクシャツ以外の服を持っているのも、家にドライヤーがちゃんと置いてあるのも、この経験があったからこそだ。
程なくして盛大に振られたが、この点では元カノ氏に大変感謝している。ただ怖いのでできればもう二度と関わりたくない。

元カノの話はどうでもいいのだ。
とにかく、身だしなみについて矯正は受けたものの、本当に突貫工事だったので、今でも知識やセンスは穴だらけだし、全く自信がない。ただ、昔と違って少しでも意識をするようになったのが重要だと考える。




ところで、最近の筆者の装備はボロすぎて酷い有様であった。
これはセンスが無かったからではなく、金が無かったからである。いやセンスも無いが。
しかし、いつかの記事でも書いたが、ここ数日で金銭面には余裕が生まれてきた。今日は研究室の用事も数時間程度で終わったし、夕方から買い物に行くことにした。




筆者は、服屋とかそういうちょっと洒落た空間そのものが極めて苦手である。行って帰るだけで肩こりと頭痛に襲われる。スターバックスとかほんと無理だ。しかし、それでも行かねばならない時がある。

店員に目をつけられないよう周りを気にしながら、シャツや下着やかばんを買っていった。
そして最後に、ベルトを買わなければいけないことを思い出し、売り場へ向かった。

筆者が元々着用していたベルトだが、もはやいつ買ったか思い出せないほど古く、ヨレヨレのボロボロである。おそらくこれがビンテージというやつだ。
あと、サイズが合っていないので、そもそもベルトとしての機能を全く果たしていない。

ベルト売り場を見つけたは良いものの、前に買ったのが相当昔ということもあり、どういう基準で選べば良いのか全く分からない。とりあえず今のやつと似ている色と太さのやつを選ぼうとした、その時であった。

「ベルトお探しですか〜?」

何という事だ。店員に目をつけられてしまった。

「アッハイ」
「どういったズボンと合わせる感じですか〜?」

なるほど、ベルトの色は履いているスボンに合わせるのか。
というかこの店員、客引きのために叫び続けていたせいか声がガラガラである。筆者なんかのために無理をしないで欲しい。休んでくれ。

「アッ今履いてるようなやつで…」
ちなみに今履いているのは薄い茶色の、何て言うかこう、普通の、ズボンである。

「なるほど〜ちなみのジーンズとかも履いたりしますか〜?」
ジーンズも、えーと、履きます」
ジーンズも履かれるようでしたら、茶色っぽい色がいいですね。こうチラッと見えた時に色が映えますので〜」

ベルトがチラッと見えるってどういう状況だろうか。

ジーンズに黒系のベルトだと、ただ巻いてるだけってなっちゃいますので〜」

ベルトってただ巻いてるだけじゃないのか…。

「あとは今履いてらっしゃるのにも合わせようとしますと、この辺りのがいいんじゃないでしょうか〜」
「そうですかね…」
「それかこっちのちょっと明るめのやつでもいいかもしれませんね〜ほらいい感じですよ〜」
「そうですかね…」

この辺りで店員さんが無言になってしまった。痛めた喉に鞭打って喋ってくれたにも関わらず、こんな客で本当に申し訳ない。

筆者がこういう店とかが苦手なのは、せっかく喋ってんのに陰気臭い客だなあと店員さんから思われるのがつらいから…だろうか。よくわからない。そもそも店員さんが筆者をどう思ってるかなんて知る由もないのだが。
とにかく、筆者は他人からの目を気にしすぎて無駄に疲れる節がある。他人の目が怖い→自分の身につけているものに自信が無い→服屋に行けない→身だしなみの悪化…みたいな悪循環もあるような気がしなくもない。あまり得をしない性質だと思う。




結局、ベルトは店員さんが最初に勧めてくれたやつを買うことにした。

明日はこれを着けて外へ出るだろう。服が人を変えるかは知らないが、ともあれ、明日は今日よりほんの1ミリでも自信のある自分でいられたらと思う。