運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

大学構内の植物をコンプしよう実習 その2

大学構内に生えている植物をひたすら写真に撮って同定するゴリ押し実習のTA第2回である。

第1回 https://under-the-floor.hatenablog.com/entry/2019/05/17/223401
前座 https://under-the-floor.hatenablog.com/entry/2019/05/15/223659

前回から1週間しか経っていないが、この間にも季節は物凄い勢いで進んでいく。
特に今年の札幌は季節の進み方が速いと思う。雪が溶けるのも早かったし、気温も常に高い。これにより咲いていた花はすぐ散るし、別の場所から新たな花が咲いてくる。




季節の進み方が速いことで、植物の名前を教える役であるTAは思わぬ影響を受ける。去年まで見たことのなかった植物が生えているのである。

TAたる筆者らは普段陸上植物の研究はしていない。よって陸上植物の名前を意識するのは、この実習が行われるこの時期の、原生林エリア内に限られる。
すなわち筆者らは植物を教える立場にありながら、「植物の名前に詳しい」と言うよりは、「この時期のこの場所に生えている植物は何か知っている」だけのただの人でしかない。まあ普通よりは詳しいのかもしれないが。

さて、では「この時期のこの場所」のうちひとつでも条件が…つまり今回のように「時期」がズレるとどうなるか。
見たことの無い植物が目立つ場所に現れ、これを見たTAは深刻なエラーを吐いて死ぬ。




例えば原生林内部に入ると、先週まで何も無かったと思っていた場所に白い小さな花が群れを成して咲いていたりする。
筆者は偶然この植物の名前を知っていた。マイヅルソウである。
確かにこの原生林なら生えていてもおかしくないのだが、この実習で咲いているのを見るのは初めてだ。
偶然近くにいた筆者の指導教員の先生に「あれマイヅルソウですよね」と確認したら「ああほんとだ」となったので、これに関しては無事解決した。

さらに実習終了間際、学生が「あの白い花何ですか」と聞いてきた。見るとそれはでかい樹木である。
葉っぱは丸く、白くて細かい花をつけている。オオカメノキやマルバシモツケに雰囲気が近いが、それらと比べて樹の背丈がとても高い。
この「樹がでかい」ことが問題で、もちろんこの樹は何年も前から生えていたものであり、それを我々は毎年見逃していて、今年花が咲いて目立ったので初めて気がついたのだ。大失態である。
筆者は諸事情により草本類ならある程度の知識があるが、木本には本当に疎い。写真を撮って実習室で調べたが、結局よく分からなかった。

(筆者も写真を撮って持って帰るべきであった。明日出かけるついでに撮ってこようと思う。もしかしたらこの記事に追記するかもしれない。)




とにかく今回は付け焼き刃で中途半端な知識が裏目に出て大変だった。
それでも同定できた種は80を越えたし、TAの仕事としては十分だったのかなと思う。

来年は90種ぐらいいけるんじゃないだろうか。




【5月25日追記】
例のよくわかんなかった樹の写真を撮ってきた。
少し遠いので解像度がアレだが。
f:id:under_the_floor:20190525155045j:plain
f:id:under_the_floor:20190525155117j:plain
名前わかる方いらっしゃいましたら教えてください…。




【さらに追記】
例の樹は「ミズキ」ではないかということになった。
教えてくださったお灸さんありがとうございました。