運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

美容室におけるコミュニケーション反省会

髪を切りに行った。

コミュ障である筆者にとって散髪はかなり過酷な行事である。
まず美容室という空間そのものが圧力を放っている。あんなオシャレ空間には普段絶対に近づかない。
当然美容師さんたちもオシャレである。部屋に入った瞬間に、こんなボサボサな髪で過ごしててすみません…という気持ちになってしまう。

席に座ってまず必ず聞かれるのがこの質問だ。
「今日はどんな感じにしますか?」

髪型に理想も主体性もない筆者に、どんな感じと言われても困る。
ただ「短めで」と「前回と同じくらいで」は、「あっこいつ何も考えてないな」って思われそうで嫌なので、頑張って具体的な返答を試みるのである。

とりあえず「長さは半分くらいで」と言ってみる。
すると、「あー結構バッサリ行く感じですね」と返ってきた。半分くらい=結構バッサリらしい。今知った。今知ったが、「アッ結構バッサリ行きます」と返答する。

次に「横はどうします?」と質問が来た。
横、とは。上と横は違うのか。いや、前と後ろに対する横、なのか?わからん。
この問に対しては即座に返答することができず、うんうん唸っていると、美容師さんの方から「ちょっと刈り上げます?」と助け舟が渡された。困っていれば助ける、これがコミュ力なのか。
結局刈り上げる場合と刈り上げない場合の仕上がりの微々たる差が分からないが、特にこだわりがないので「アッじゃあ刈り上げます」と答えた。

これ以上の質問は飛んでこなかった。本当に聞くことがなかったのか、何聞いてもダメだなと愛想をつかされたのかは分からない。
筆者の方もこれ以上会話をされると大変なので、近くにあった本棚からHUNTER × HUNTERを取って読み始めた。

途中、手に持っていたHUNTER × HUNTERを読み終えてしまうと、美容師さんの方から「次の巻読みます?」と声がかかってきた。正直ありがたかった。これがコミュ力か。コミュ力すげえ。





という感じで、筆者は毎度大変な思いをしながら髪を切ってもらっている。
できれば行きたくないのだが、髪はどうあっても伸びるし、伸びた髪が鬱陶しいのも間違いないので、行かざるを得ない。
筆者がこういう場に耐性を付ける方が絶対楽に生きられると思うのだが…。