明暗
今日学振の審査結果が発表されたらしいという話を書きたいのだが、なんというか書くのが怖い。なにぶん内容が内容である。
いわゆる「学振」というのが何なのかを念の為説明すると、これは「日本学術振興会」の略である。「日本学術振興会特別研究員」の身分を獲得すると、大学院の博士課程に在籍しながら月20万円の実質の給料と、年間上限100万円の研究費を貰うことができる。
春に申請書を提出し、これが通れば次の年度から学振特別研究員となる。
当然競走倍率が高く、申請書もガチガチのものを書いて色んな人に添削をしてもらい、さらに相当量の運が絡んでようやく受かるかどうかみたいなものである。
で、今日、学振の合否発表があったらしい。
これは例年と比べて2週間ほど早い。夏休み前に台風が来るような感覚だ。
なぜこんなに発表が早まったのかは全くわからない。増税前だからだろうか。
審査を待っていた側の皆さんは、心の準備ができていないうちに奇襲を食らった形になる。
筆者はTwitterで学振に申請していた知り合いを何人もフォローしていたので、昼頃のタイムラインは明と暗が渦巻く混沌と化した。
金は大事だ。
博士課程に在籍する学生には、金に困ってとんでもない生活をしている人も多い。金を貰うどころか高額な授業料を払ったりしているので大変だ。
先日の学会で知り合った同期の博士学生も、金に困っているような話をしていた。
そして彼が今年の学振の結果待ちであり(つまり去年の学振は落ちており)、筆者はすでに去年学振に通っているという事実が明らかになった瞬間、めちゃくちゃ気不味くなった。
彼が「申請書に書いた内容はどこまで進んでいるか」と聞いてきて、筆者が「あまり進んでいない」と答えたところでさらに気不味くなった。
彼はどうだったのだろうか。さすがにこちらから聞く勇気は無い。
受かったみなさん、おめでとうございます。