コンタミの恐怖
後輩「うずべんがハプト藻になってました」
筆者「は?」
実験に使うものに余計なものが混ざることをコンタミネーション、略してコンタミと言う。
試薬に別の液体がコンタミすることもあるし、うずべんのDNAサンプルにヒトのDNAがコンタミすることもあるし、うずべんの株に別の藻類がコンタミして増えることもある。
コンタミしてしまったものは基本的に使い物にならなくなる。試薬なら廃棄処分だし、株であれば単離からやり直しだ。
研究遂行に与える影響も大きいし、精神的にもやられる。コンタミは研究の大敵である。
今日、後輩が管理していたうずべんが大規模なコンタミの被害に遭っていたことが発覚した。
混ざっていたのはハプト藻の1種と見られる藻類で、元々入っていたはずのうずべんを全て駆逐した上で大繁殖していた。
しかもこれが結構な数の株で発生していたので大変である。
どうやら今回コンタミした株は、数ヶ月前の同じ日に培養液の入れ替えを行ったものらしく、その培養液がコンタミの発生源ではないかということになった。
では一体どこからどうやって培養液のストックにハプト藻が侵入したのかについてだが、これについては全くわからない。
コンタミしたハプト藻は先生や学生たちでめちゃくちゃ観察した。
コンタミの被害に遭った後輩氏だが、このハプト藻の遺伝子も解析してやると意気込んでいる。
試薬の無駄な気がしないでもないが、気になると言えば気になるのでそのままやらせておくことにした。