運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

博士卒

今日は筆者の所属する講座のD論発表会があった。

講座というのは、似たような研究をやっている研究室の集まりみたいなものである。似たようなと言っても研究分野が近いだけで対象がバラバラであり、藻類だけでなく海産無脊椎動物やら鳥類やらいろいろある。
なので所属人数は結構なものになるはずなのだが、今回のD論発表会で発表したのは、筆者の研究室の先輩ただ1人であった。単純に博士課程の学生がめちゃくちゃ少ないのである。

ということで、毎年他分野のD論発表を聞けるはずのこの会だが、今年は親の顔より見たであろううずべんの話を聞くだけだった。




発表した先輩は某国からの留学生で、かなり長いこと研究室にいる。
実は数年前に卒業要件を満たしていたらしいが、非常に複雑な事情が絡み合って卒業ができないでいた。これは先輩がサボってたからではない。彼は優秀だし、研究内容も非常に完成されていて、論文もいくつか出している。
その「複雑な事情」はあまり喋る訳にはいかないものなのだが、ああいう理不尽の中にあってもやさぐれる事なく、人当たりもよい先輩は尊敬に値する。

何より、彼はネイティブではないのだが英語がめちゃくちゃ上手い。そこらへんのネイティブより聞き取りやすいし、シンプルな単語を使ってくれるので、こちらもかなりコミュニケーションが取りやすい。英語の運用については密かに目標にしていた。

そんな研究室の重鎮たる先輩も卒業である。
研究内容はもう何度も聞いている。タイドプール性のうずべんの分類の話である。
今更感があるが、これで最後かあとか思いながらしっかり聞いた。




D論発表などの発表会は英語でDefenseと呼ばれ、本来は教授陣が卒業させてなるものかと言わんばかりに質問を飛ばしまくるものらしい。
しかしうちの講座は緩いので、ぼちぼち質問が挙がって(中にはめちゃくちゃ鋭いものもあったが)平和に終わっていった。本物のDefenseを知っている留学生に言わせれば、うちのはDefenseじゃないらしい。

発表者が1人だったこともあり、今年のD論発表会はとてもあっさりと終了した。




次に控えているのは、31日の学部生の卒研発表会である。これはもちろん人が多いし、毎年盛り上がる。
筆者の研究室の後輩も着々と準備しているようで、楽しみにしていようと思う。