運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

トラブルその1 〜年度末の出張計画編〜

札幌の大雪がやばいとか、スキーの翌日にも筋肉痛にならないしリングフィットの効果がやばいとか、今日は色々と書きたいことがある。
しかし、実は今研究費関連で少しややこしい事案に巻き込まれており、ちゃんと研究生活のブログらしくその件について書こうと思う。




学振特別研究員が貰える金には大雑把に2種類ある。毎月の給料にあたる「研究奨励金」、科研費の1種であり研究費として使用する「特別研究員奨励費」である。
両者は名前が似ているがシステムが全く異なる。
前者は自動的に毎月20万円が各々の口座に振り込まれる。一方、後者の特別研究員奨励費は、特別研究員としての年度が始まる直前に、採用期間中の計画を書いて申請することで、1年度あたり150万円まで貰えるシステムだ(実際150万円満額貰えた例は聞いたことないが)。研究費なので当然私的な利用はできず、研究に使う試薬や物品を買うときや、学会やサンプリングで出張するときなどに、決められた手続きを踏むことで使うことができる。
また、1年度あたりの研究費はその年度の内に原則使い切り、かつ成果を得る必要がある。

さて、筆者は今年度分の研究費をまだ使い切っていない。3月27、28日に鹿児島で学会があり、その遠征費にあてるためである。
また、鹿児島なんて滅多に行く機会がないので、帰り際に31日までサンプリングをして回ることにしていた。このサンプリングにかかる費用にも研究費を使うことができるので、学会とサンプリングをまとめて出張申請書を出していた。

ところが、昨日事務から怪しいメールが届いた。内容は、「今年度分の研究費を使った研究は今年度中に成果を得ないといけないが、サンプリングによる成果は今年度中に得られる見込みはあるのか」というものだった。
確かに、サンプリングから帰ってくるのは予定では3月31日なので、サンプルを研究室に持って帰る以上のことはできないだろう。これを「成果」として無理やり主張できるかというと、極めて黒に近いグレーである。
当然、嘘の報告なんかをでっち上げるのは完全にアウトだし、もしやったら不正利用として罰を受ける。この辺色々と厳しいらしく、バレなければOKみたいなノリで綱渡りするのは良くない。実際不正利用で処罰されている例は稀にだが見かける。

この件を指導教官の先生に相談したところ、サンプリング費用を今年度分の予算から出すのはやめといた方がいいということになった。

そうは言っても、ここまで計画しといて断念するのも嫌だし、九州方面のサンプリングは前からぜひ行きたいと思っていたので、意地でも行く必要がある。ではサンプリングは自腹で行くのかという話になったが、事務に問い合せた所、指導教官の先生の持っている公費からお金を出すのは大丈夫らしい。

ということで、28日までの学会に関わる費用は筆者の研究費から、29日からのサンプリングに関わる費用は先生の財源から出るという、結構めんどくさい感じになった。




とりあえず、年度末の出張についてはなんとか解決しそうだ。
しかし、サンプリングに使うはずだった結構な額の費用が浮く見込みになったので、これはこれで別の問題としてどうにかしなければならない。

繰り返すが、今年度分の予算は原則今年度中に使い切る必要がある。
ただし、あらかじめ「繰越申請」をしておけば、来年度分の予算に繰り越すことができる。しかし、残念ながらこの申請期間がちょうど数日前に終わってしまっているので、もう繰り越すことはできない。

とにかく余った金を何かに使わなければならない。いや使わなくてもいいのだが、それでは余りにも勿体無い。
近いうちに、研究室の消耗品など買っておいた方が良さそうなものを確認する必要がある。