運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

うずべんを殺してしまった。
しかも、これから記載論文を書こうとしていた大事なうずべんを、である。




気付いたのは先週末で、その時には既に生きている細胞は見当たらなかった。
即刻培養液と餌を入れ換えたが、今日に至るまで復活することは無かった。

死因は筆者の管理不足である。2ヶ月ほど様子を見ていなかった。一般的なうずべんは2ヶ月程度放置しても問題なく生き続けるし、今回死んだうずべんもそうだった…などと言い訳をしてみるが、実際2ヶ月様子を見ないのは間違いなく怠惰だった。
だから「死んだ」のではない。「殺した」のだ。

残念ながら、死んだものを生き返らせる手段は今のところ確立されていない。死は受け入れるしかない。

幸い、新種記載に必要なデータはほぼ完全に揃っている。SEM画像だけ少し微妙だが、行けないことは無いだろう。死んでしまったうずべんでも新種記載は可能である。
また、同属の他のうずべんはちゃんと生き残っているので、こいつらを使った実験はほとんど問題なく進められると思う。
とはいえ、実験に使えたはずのサンプルが1つ減ったのは間違いなく痛手である。

このうずべんについては追加データの取りようが無くなったので、とにかく文章を書くことになる。逆に吹っ切れて楽になるかもしれない。
いやそんなことは無いか。