運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

このブログを書き始めた2年半前、筆者は学振からの収入が入る直前でびっくりするほど金がなく、大変苦しい生活をしていた記憶がある。
その後、月20万の金が振り込まれるようになってから、最低限の生活を送るのに金で困ることは無くなった。むしろ少し余裕も出てきて、欲しかったゲームを買ったり、引越しをしてQOLを上げたりもできた。
学振は神だと思っていた。

しかし、今改めてまともに就活をしてみたことで、そう思っていたのは一般的な社会人に与えられる待遇を知らなかっただけということを実感している。

院卒採用で、月20万という学振からの収入を下回る給料を提示している企業は全くない。それどころか、保険や住宅などに手当が付く都合で、実質的な収入には大きな差がある。あとは学生である以上授業料が取られる。
もちろんこの事実は話で聞いて知ってはいたものの、具体的な数字を以て現実を突きつけられるのでは感覚が違う。

そして、学振生活で余裕ができたというのは実は最初の1年目のみだった。
2年目からは税金やら保険料やらが爆増し、むしろ1年目より収入は減る形になった。結果、2年目から今に至るまで、貯金は減りもしないが増えもしないという、「余裕がある」とはお世辞にも言えない状態が続いている。

そして何より、3年という任期がとてもよくない。
任期が切れる度にやたらと競争率が高い申請レースに勝ち抜かないとまともに生きていけないというのは、普通ではない。

何を今更と思われるかもしれない。筆者もそう思う。それを覚悟した上でこの世界に飛び込んだのは、他でもない3年前の筆者だ。
ただ、その覚悟とか熱意とかが3年経って持ち続けなかったのが、今の筆者である。

改めて、命を懸けてアカデミアで戦う方々を尊敬する。