時の流れ
3月11日である。東日本大震災から11年が経過した。
毎年この日になると記事に書いているが、筆者は当時かなり冗談抜きで被災している。地震のあった日は津波に沈んだ道を強行突破しようとしたものの家に帰れず、避難所で一夜を明かした。その後何日もライフラインが戻らないまま生活したり、少し落ち着いてからは沈んだ家を片付けるボランティアに参加したりした。
色々含めて、筆者の人生に大きな影響を与えた出来事であったことは間違いない。
それにしても、11年である。
震災から5年目ぐらいの時は、「もう5年か」とも「まだ5年か」とも思っていた記憶がある。しかし、今年はさすがに「もう11年か」としか思わない。本当に時の流れが速い。
震災の後に生まれた子供たちはもう小学校の高学年になっていて、君たちの産まれる前にはこんな事があったんですよ〜みたいな話をされているのだろう。
そう言えば筆者も似たような感じだった。阪神淡路大震災が筆者の産まれる数ヶ月前にあったので、その話をよく聞かされた記憶がある。しかしそんな話をされても実感は無かったし、自分が同じような災害に遭遇するとは思っていなかった。
いや、それは半分嘘かもしれない。東北の太平洋側は近々大地震が起こると言われ続けていた場所だったので、いつか来るんだろうみたいな覚悟はあった。ただ、あそこまでとんでもない事になるとは思っていなかった。何より、「実感」はそこで初めて得た。
震災を話でしか知らない世代が育ってきている。これは震災を忘れたくない我々にとって必ず認識しなければならないことである。