運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

音ゲーとシャドーイング

筆者は音ゲーをよくやる。音楽に合わせてボタンとか画面とかを叩いたりするあれである。
と言ってもゲームセンターにはあまり行かず、タブレット音ゲーアプリをやるのがほとんどだ。これは金が無かった頃の名残で、アプリの方が圧倒的に安上がりなのでこうなっている。
腕の方もそんなにいい訳ではなく、まあたしなむ程度と言ったところか。

ところで、音ゲーをやってない人が音ゲーを見た時の感想は、「反射神経やばくね?」と「譜面覚えてんの?」にだいたい集約される。反射神経と暗記は確かに両方大事だが、より具体的には以下のように使っている。

例えば、とある譜面を頑張って攻略したいと思う時を仮定する。なお、ここで言う「譜面」とは、曲によって決められている叩き方というか、太鼓の達人で言えば「ドン」とか「カッ」とかの並び方である。
ひとつの譜面にも、特に難しくない場所と、普通にやってたら捌けない難所が混在している。難所の攻略のためには譜面をある程度覚え、指をどう動かすのかあらかじめ決めておくのが有効である。この点では「譜面を覚えている」と言える。
しかしそれでも難所は上手くいかないことが多いので、何度も反復練習をする。そしていつかはその難所を捌けるようになり、難しい譜面配置への対応法や指の動かし方が身についていくはずである。

さて、その譜面をめでたく攻略して、別の譜面に挑戦するとする。完全に初見の譜面であれば、当然譜面を覚えていないので、ここで使われるのは反射神経…なのだが、必ずしもそうとは限らない。
例えば、前に攻略した難所と同じような配置の譜面が再び現れたとしたら、前に反復練習した経験を活かして、次は楽に対応できるはずなのである。ここで活躍するのは反射神経でも暗記力でもなく、「経験と努力」である。

つまり、初見の譜面でもある程度叩けてしまうような強い音ゲーマーは、反射神経がすごいだけでなく、数多の「傾向と対策」を処理してきた結果、「こう来たらこう」というのが体に染み付いているのだ。

ということで、音ゲーにおける、というか音ゲーに限った話ではないかも知れないが、「攻略力」と「初見力」は、ある程度相関しながら伸びていくことになる。




さて、話が大きく変わるが、筆者は最近英語力強化のためにシャドーイングに挑戦している。きっかけは以前記事に書いた(https://under-the-floor.hatenablog.com/entry/2019/07/05/203715)。
シャドーイングは、聞こえてきた英語を聞こえた通りに発音する訓練法なのだが、どうもこれに音ゲー的要素を感じてならないのである。

まず、音ゲーでは「譜面を見て指を動かす」のだが、シャドーイングでは「音を聞いて声を出す」わけだ。この、インプットしてややラグがあってアウトプットするというプロセスに、かなり近いものを感じている。たぶん音ゲーしてる時とシャドーイングしてる時では脳の同じ領域を使っていると思う。たぶん。おそらく。

また、シャドーイングも最初は一発でできるものではない。ひとつの30秒程度の会話文とかがあって、それを完璧にシャドーイングできるようになるまで数日かかっている。
その攻略のために行う工夫の方向性がまた音ゲーと似ている。難所を把握し、ちゃんと発音できるように反復練習をするのだ。

そして大事なのは、先に述べた「攻略力」と「初見力」の関連である。様々な英文を攻略するために工夫した諸々が、初見で英語を聞き取る際に役に立つのだろう。とても理に適っている。




今はまだ効果を実感出来る機会がないが、音ゲーの実体験がある筆者としては、シャドーイングの効果を期待してしまう。
これからもサボらず続けていこうと思う。