運だけ研究生活

渦鞭毛藻、略して「うずべん」を研究しています。研究者の方向けの内容にはならないとおもいます。悪しからず。

2020-01-01から1年間の記事一覧

また惜しい人を

先輩が卒業した。この時期に卒業というのは、普通に9月入学だったから9月に卒業しただけである。サボりすぎて3月に卒業できずに半年延びた訳ではない。先輩は、うずべんに系統的に少し近い寄生性の生物、アピコンプレクサ類を扱っていた。少し前に筆者が鞭毛…

終わらない戦い

8月末ぐらいに、遺伝子の登録をしようとしたら登録先の手続きが渋滞していて、論文の再投稿に間に合わないので1ヶ月遅らせたみたいな話を書いた。 https://under-the-floor.hatenablog.com/entry/2020/08/27/231839その後この件がどうなったかと言うと、何…

イバラ

一昨日から今日にかけて日本植物学会がオンライン上で開催された。植物学会初のオンラインでの開催ということで、参加者も運営側も数々の不安を抱えながら本番を迎えたが、蓋を開けてみれば大きなトラブルは全く起こること無く全日程を終えた。運営の皆様の…

設営

学会が明日から始まる。まず今回の学会のシステムだが、発表やシンポジウムから休憩室に至るまで、全てオンラインコミュニケーションツールであるLINC Bizを使って行われる。口頭発表やポスター発表などの目的に応じたチャンネルが開設されており、そこが発…

結局喋る

植物学会のポスター発表について、本番では動画を載っけたりはできない的なことを前回の記事で書いた。 ところが、大会本部の説明を読むと、ポスターと一緒に動画や音声のファイルを投稿することも可能、と書いてあった。めちゃくちゃしっかり書いてあった。…

ポスターとは

今週末の学会へ向けてポスターを作っている。 今日の時点でほぼ形になっていて、あとは文章の細かいところを練るだけになった。おそらく明日には完成するだろう。 今回参加予定の日本植物学会は、毎年この時期大会を開いていて、去年の大会にも筆者は参加し…

R楽しい(錯乱)

参加予定の学会が近いので、それに向けた準備を進めている。具体的には、ポスターにグラフをいくつか載せたいので、それの作成である。 5月頃のゼミのために一度グラフは作っていたのだが、その後しばらく放置していたので、色々と思い出すところから再スタ…

学会そして学会

おそらく報告を忘れていたのだが、先日参加したOnline Poster Session on Protistsにおいて、12 best student presentationsに選ばれた。要するに学生内でのベスト12である。 https://www.isep-protists.com/post/online-poster-session-on-protists?fbclid=…

大人気ライブ

最近記事の更新速度が遅いのは、デレステの5周年記念で忙しいからである。 ところで、今日はTOEICの抽選に落選した。TOEICと言えば、多くの方が1度は受けたことのある英語能力検定試験である。そのスコアは英語能力の指標として頻繁に使われ、受験や就活など…

上手くいった

あれだけできないと嘆いていたRNAの抽出が今日なんと上手くいってしまった。RNA抽出の結果の確認は、Nanodropによる吸光度測定と、電気泳動によるrRNAのバンドの検出によって行った。どちらも大丈夫だった。 それでもなんだか不安なので、この件でよく相談に…

上手くいかない

前から上手くいかないと嘆いていたRNAの抽出が未だに上手くいかない。前回書いた通り、フィルター濾過を利用することで抽出元の細胞数の問題は改善された。この他にも、研究室OBの先輩に相談してプロトコルを改善したりと、やれることは色々とやっている。 …

うずべんには増やせるうずべんと増やせないうずべんが存在する。筆者のメインの研究対象は増やせるうずべんである。 「増やせる」というのはそれだけで研究対象としてのアドバンテージになる。実験をするためにわざわざサンプリングしに行く必要が無いし、細…

渋滞

前々回の記事で、論文再投稿へ向けた修正作業が終わり、あとは遺伝子配列の登録を待つだけになったと書いた。 しかし、その遺伝子配列の登録が中々終わらず、再投稿まで進めずにいる。「遺伝子配列の登録」についてちゃんと説明しようと思う。 遺伝子という…

酒 or ゲーム

少し前の筆者にとって、大人とか社会人はめちゃくちゃ酒を飲んでいるイメージがあった。 これはおそらく親の影響が大きい。筆者の両親は共に酒が好きで、まだ若さがあった頃はめちゃくちゃ飲んでいた。最近は歳をとってしまったため控えめだが、それでも飲ん…

何とか修正

最近記事を書いていなかったのは、Switch版「カニノケンカ」をずっとやっていたからである。 カニになる前に、論文再投稿のための修正を全て終わらせた。 締切が29日なので結構ギリギリだったが、8月前半は実習TAやオンライン学会で忙しく、ほとんどの作業を…

冷房 is GOD

今日の札幌はとても暑く、33度まで気温が上がったらしい。 ここ最近、本州の方では40度近い猛暑に襲われており、それに比べれば33度程度と思われるかもしれない。しかし冷静になってほしい。33度である。 今日は郵便局に行かなければいけない用事があり、昼…

お盆明け

夏休みが終わった。お盆を意識してしっかり休んだのは、筆者にとっては珍しいことである。毎年この時期はなぜか忙しく、例えば去年はクロアチアの学会に向けて忙殺されていた。 先日のオンライン学会が終わって、今年の夏の山場を一つ越えた。この先にやるこ…

26歳の夏休み

一昨日オンライン学会の発表が終わり、忙しさの山を越えた。 まだ投稿論文の修正と再提出があったり、おそらく来週から光合成活性の実験が再開されたりするが、とりあえず今すぐやる必要のあるものはなくなった。気がついたら世間はお盆である。 昨日あたり…

オンライン学会初参戦

今日はOnline Poster Session on Protistの筆者の発表の日だった。前回の記事で準備段階のことを書いたが、その後さらに昨日の夜まで他の人の発表を見て作戦を練っていた。 従来通りのポスター形式の発表はあまりないのでは思っていたが、予想に反してポスタ…

工夫

オンライン学会での発表が明後日に迫っている。昨日今日と発表資料を作っていた。大まかな骨組みはできているものの、あまり納得ができていないというか、何かが足りない気がして完成に至っていない。今回、FacebookやTwitterを発表媒体として使うという形式…

シャバ

苫小牧の虫採り実習は昨日終わった。例年と比べ採集の期間が短縮されたため、当初はその分ソーティングも早く終わると思っていた。学生もTAも教員も油断していた。しかし、ピットフォールトラップのサンプルにとんでもない数のトビムシが入っており、結局地…

虫獄

苫小牧虫採り実習の続きである。 苫小牧で採集した昆虫のサンプルを昨日持ち帰り、今日は朝からソーティングを行った。今年は日程問題でサンプルの量が少なくなった。また、本来であれば今日の朝はまだ苫小牧にいて、札幌に帰って昼過ぎになってから作業開始…

泊まらないと苫小牧で韻が踏める

毎年恒例、苫小牧で虫採りして数を数えるだけのパワー実習の季節がやってきた。本来、この実習は、苫小牧にある研究林に2泊3日の日程で滞在し、その間あらゆる方法で昆虫を採集、札幌へ持ち帰ってその数をカウントするという内容である。筆者はこの実習に毎…

困ったら現実逃避

昨日、また山に登ってきた。登ったのは札幌から北に向かった所にある南暑寒岳である。山のそのものよりも、頂上へ向かう途中にある雨竜沼湿原の方が名前は有名かもしれない。 メンバーは例によって前回雌阿寒岳に登った3人である。前回の記事で仕事が溜まっ…

皺寄せ

最近急激に忙しくなっていて大変である。 現在進行中のプロジェクトとして、うずべんの色素と光合成活性の解析、トランスクリプトーム解析のためのRNA抽出、マカロニを生やしているうずべんの観察がある。また、先輩の鞭毛装置解析の手伝いに関しては、デー…

今だからこその学会

8月中旬開催予定のOnline Poster Session on Protistsで発表させていただくことになった。 https://www.isep-protists.com/post/online-poster-session-on-protistsその名の通り、オンライン上で行われるポスター発表会である。Protistsというのは原生生物の…

辛勝

筆者のうずべんたちの光合成活性測定へ向けて、今日は細胞の持つ光合成色素の定量解析を行った。 以前の記事(https://under-the-floor.hatenablog.com/entry/2020/07/20/215329)に書いた通り、この実験は筆者のいる研究室の設備ではできないので、今回協力し…

先輩のD論

今日、秋に卒業予定の博士課程3年生によるD論発表会が行われた。 この発表者には筆者の研究室の先輩も含まれている。そしてこの先輩は、前回の記事で紹介した、筆者が鞭毛装置の解析を手伝ったあの先輩である。先輩のD論はイントロを含めた4章で構成されてい…

鞭毛装置との戦いとの決着

1年ぐらい前から、先輩の扱っているサンプルの鞭毛装置の解析を頼まれてやっていたのだが、これが多分ほぼ完成した。 「多分」とか「ほぼ」とか曖昧な表現を使っているのは、まだ完成したデータを先輩にも先生にも見せておらず不確定なためである。本来、普…

マカロニとの戦い

少し前に、細胞からマカロニが生えているうずべんがいるという話をした。 https://under-the-floor.hatenablog.com/entry/2020/06/21/202319未発表データなので画像を載せられないのが残念だが、こいつが未記載種なのはもう間違いない。どこからどう見ても未…